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起業コラム 第26回
ーーー本編は以下から
俺は採用となり、その日から稼働する事になった。
仕事内容は家庭教師を派遣する為に必要な、教材の販売。
要は「うちの先生に教えてもらう為には指定の教材を買ってください」
という電話営業を、一般家庭にするという内容だ。
求人にはテレホンオペレーターと記載されていたが、実際はテレホンアポインター。
いわゆる”テレアポ”だった。
架電リストは、当時は存在した”名簿屋”と言われる人たちから購入する。
相場はA41枚で数千〜数万。
住所、電話番号はもちろん、○○校区○○中学校○年○組の○○君という情報に加え、
詳しいものだと、家族構成、在宅時間まで記載されていた。
今考えると恐ろしい。
1件1件、丁寧に架電する。
1日300コール(架電の事を業界ではコールと呼ぶ。)なんて序の口。
見込みリストが増えてきて1件1件の架電の質が上がれば1日数十コールだが、それまでは手探りで見込みを作らなければならない。
しかもランク分けをして管理しないと同僚に穫られてしまうのだ。
取り扱い商材は学習教材。
高校受験用なので基礎科目の5教科。
5冊セットを100万〜200万で売る。
現金が無い家庭にはローンを組ませてまで販売していた。
営業の役割は大きく分けて3つ。
・アポインター
・絞り
・現場
もちろん、1人で全てこなす事は可能だ。
新人はアポインターから。
アポが取れると絞り担当が再度電話をして”伝えたい内容がちゃんと伝わっているか””アポインターのマスターベーション(無理矢理取ったニーズの内軽アポ)じゃないか”を確認する。
現場の獲得率を上げる為だ。
給料体系は2つあった。
・時給制
・完全歩合制
俺はこのバイトで人生で初めて「完全歩合制」の仕事を知った。
やったらやった分だけ稼げるという・・・。
もちろん、契約が取れなければ何十時間働こうが収入は”0”。
確かにリスクはある、けど、、、面白そうだ。
『自分がどれだけやれるのか試してみたい』
『自分の給料は自分で決めたい』
リスクよりもチャレンジ精神が凌駕し、俺は迷わず「完全歩合制」を選択した。
それと同時に、俺は当時通っていた大学を辞めた。
親に相談したら反対されるに決まってる。
だからこそ、無断で退学届けを出すことにした。
先生は驚いていたが、理由を熱弁したら納得してくれた。
より良い会社に就職する為に通っていた大学、けど、もうそんな必要は無い。
『営業力さえ身に付けられたら会社に雇われなくても生きて行ける』
決めたら断つ。
決断。
俺はその時、生き方を決めた。
そう考え始めた俺に、最早迷いや曇りは存在していなかった。
例え、実の親から勘当されたとしても。