いらっしゃい・・・、おー久しぶりだね。
俺の不安を他所に、マスターは俺の事を覚えてくれていた。
そして俺は、ここに至るまでの経緯と、事情を説明した。
もちろん、お酒を注文しながら。
チャージも含めると1杯呑むのが精一杯だったが・・・。
2杯目以降は水や、同席した方からの振る舞い酒で閉店までの時間をしのいだ。
外がほんのり明るくなった朝6時、マスターは店じまいをした。
この日の宿は、マスターの恩領に預り、お店を寝床にさせてもらう事が出来た。
そして俺は、誰もいなくなったお店の二畳半ほどの座席の上で横になるのだった。