気付けば日も暮れ、俺はまた栄の街に舞い戻ってきていた。

寒さと疲労で、足の感覚は無くなっている。

そんな折、ふと昔知人に紹介された栄のバーを思い出した。

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確かここから近かったような・・・。

そう思い、思い出せる限りのキーワードを携帯電話で検索し、なんとか場所を突き止めた。

数少ない名古屋の知人、いや、知人と呼び合えるほど親しい仲でも無かったが、一縷の望みをかけ、向かう事にした。

そのバーは栄4丁目の雑居ビル2階にある。

店主は某芸能人に似たかなりの男前、その界隈では有名な方だ。

俺の事を覚えているだろうか。

そう不安に駆られながら、俺はお店のドアを開けたのだった。