一体何本シャンパンは空いただろうか。

他にも数少ない名古屋での知人をお店に呼んだ俺は、シャンパンを開けるように煽っていた。

こういう時には、祇園で働いていた経験が役に立つ。

コールを言い、京都からわざわざ来てくれた女の子に男のお客さんを接待させる。

結果、ぐでんぐでんに酔ったお客さんはシャンパンをどんどん開ける。

夜もふけ、外が明るくなった頃、宴は終了した。

数日〜1週間程度の生活費を手に入れた俺は、マスターに何度もお礼を言い、お店を後にした。

暫く名古屋駅方面に向い歩いていた俺は、住吉通りの真ん中を通りがかった。

周りにはクラブ帰りと思われるへべれけ状態の男女が街のカオスを演出していた。

彼等を一瞥し、歩を進めようとした瞬間、、、。

「タクヤ!」

俺は思わず叫び、無意識にその男に向かって走り出していた。