いったいどれくらい彷徨ったか。
夜の帳も充分に下り、俺はそこに立ち尽くしていた。
週末の賑やかな繁華街、嬌声を浴びせる通行人を一瞥し、また宛も無く歩を進め始めた。
今夜の宿をどうしようか。
手持ちは4000円を切っている。
キャッシュカードは持っていたが、口座の中には1000円も無い・・・。
時間はあっという間に過ぎ、もうすぐ電車も無くなる時間。
野宿をするか??
けど、一体どこで・・・。
その気になれば公園でも寝れない事はないが。
季節は12月、しかも薄着、さすがに辛いものがある。
結局その日は、隣町、金山のファミレスで一夜を過ごす事になった。
たった1杯のコーヒーで、朝まで粘る。
250円の宿泊代。
「お客様、モーニングの時間ですので、もう、、、宜しいでしょうか?」
歩き続けて疲弊し、いつの間にか寝ていた俺を起こしたのは店員のこの一言と、
怪訝そうな表情だった。