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ーーー本編は以下から

レジャック1階のマクドナルドに入った俺は、チーズバーガーとコーヒーを注文するとカウンターの席についた。

以前の記事にも書いたが、栄4丁目付近でファミレスやバーを寝床にホームレスをしていた頃は100円マックですら注文するのを躊躇したくらいで、飲み物にお金を払うという事など考えられなかった。

それを思い返すと一度に100円マック以外のチーズバーガーとコーヒーを注文出来るなんて自分も出世したなあ、などと些細な幸せを感じていた。

話を戻そう。

席に着いた俺の目に飛び込んできたのは、2つ隣の席に座って何やら熱心に調べものをしていた女性の姿だった。

そして俺は、一目でその女性に惹かれてしまったのだった。

「あの、携帯の充電器貸してもらえませんか?」

俺はiPhoneユーザー、見たところ相手はAndroidユーザーだったのにも関わらず本能に従い無意識に話かけていた。

とにかく俺は、声をかけるキッカケを掴みたくて咄嗟にこんなみえみえの嘘を付いたのだろう。

「あ!実は私も丁度充電切れてて困ってたとこなんですよね!笑」

返ってきたのは思いもよらない回答と、久々に見た屈託の無い素敵な笑顔だった。

「こんな素敵な笑顔が出来る人も居るんだなあ」

その瞬間、人間不信で今にも枯れそうになっていた俺の心に一雫の水が注がれた。

彼女と出逢っていなければ、きっと今の俺は存在しないだろう。

後に3年近くにわたり同棲し、俺の黎明期を支えてくれた女性との運命に近い出逢いだった。