前回までの話↓↓
以下、本編。
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ホームレス三日目の朝、偶然通りかかった住吉通り商店街で10年来の悪友、タツヤと数年ぶりの再会を果たした俺。
再会を喜び合った二人は、お互いの近況を報告し合った。
俺は、かつての会社で金沢支店長になり、その後本体から京都の合弁会社へ出向した事。
京都支社、九州は博多のショップと兼任し仕事は順調だったものの、
当時の冗長とのトラブルが発端で、会社を辞めざるを得なくなり京都を飛び出した事など、
タツヤと最後に連絡を取った数年前から、ホームレスとして街を彷徨って数日たった現時点までの経緯をざっと話した。
タツヤは驚きながらも、俺の近況をしっかりと受け入れてくれているみたいだった。
さて、俺の近況も報告し、次はタツヤの話を聞く番だ。
彼も、何らかの事情が有る様子だった。
心なしか、以前よりもタトウーの絵柄も増えているようだ。
昔からタツヤは、何かの節目毎にタトウーを入れていた。
きっと今回も、会わなかったこの数年で色々と経験したのだろう。
俺の中ではタツヤは会社を辞めた後、とあるクラブのセキュリティをしていた。
という記憶で止まっていたが。
彼がその後、どんな人生を歩んでいたのかに興味が湧いた。
実は、先日そこの通りで外人数人と喧嘩になりその内○人を○○○にしてしまってん。
近況を話し始めたタツヤの口から、少し強烈な話を聞いた。※事件化はしていないと後々聞いています。
そして、少しこの界隈に居づらくなり、仕事も変え、
今は知多半島の田舎町に引っ越しているのだ、と。
今日はたまたま前職の給料を取りに住吉に来ていたのだと。
そしたらリョウちん(※俺のこと)が居たのだと。
なんという偶然だろう。
まだ住吉で働いていたのならまだしも、既に職も変わって市外に転居しているのに偶然再会したというのだ。
更にタツヤは、俺にこう持ちかけて来た。
住む家が無いんやったら、俺が今住んでる家においでや。丁度部屋も空いてるし。
まさかそんな言葉をかけられるとは思ってもおらず、俺は一瞬ポカンとなってしまった。
たまたま運良く数年ぶりに偶然再開し、更に居候の話まで…。
もちろん、タツヤに頼りきりになるのは駄目だと思いつつ、
最初は数日間だけのつもりで、お言葉に甘えることにした。
そしてこれを皮切りに、とても奇妙で、そして刺激的な野郎二人の共同生活が始まるのだった。
続く。