後の先を取る、これこそ極意。
これはビジネスに限らず、男女間の折衝にも応用が効く。
逆に、男女間の折衝が上手い人間はビジネスにも応用が効く。
つまりは、間合いのせめぎ合いなのだ。
武術に始まり、現代に至るまで、
ビジネス・対人折衝共通で、勝負事のセオリーは、
間合いを見切り、後の先を取れる人間が勝つ、という事である。
掲題の問い合わせにしてもそうだ。
セールスではお客より先に口を開いたら負け、という鉄則がある。
以前にも何度か書いた事があるが、口数が多い営業マンは売れない。
耳が2つで、口が一つ、これは余程の事が無い限り人間共通のフォルムだと思うが、
まさに、相手が話す倍聞く事が肝要なのだ。
先手を打つのは、勝つべき、口説くべき相手でなければならない。
まずは相手から情報を引き出し、その情報を元に折衝をする。
つまり、冒頭に述べた通り、後の先を取るという事だ。
対面セールスなら、文字通り、相手が話すまでは話さない。
相手が肩すかしを食らうぐらいが、丁度良い。
無さ過ぎる隙は相手の警戒を余計に強めてします。
意図的に、相手が付け入る隙を見せる。
すると、相手は油断する。
何でも一部に力を抜く事が大切である。
インターネットからの問い合わせなどは正に後の先である。
自身の媒体のセールスレターで、読み手の感情を刺激し、
問い合わせ、という先手を打たせる。
それに対して、後の先を合わせる訳だが…。
問い合わせが来たからと言って、喜びを表面に出すのは芳しく無い。
鋭い相手なら足下を見られかねないし、必要以上に気を緩めるのも良く無い。
あくまで”欲しいなら売って差し上げますよ”というスタンスを心掛ける事が大切。
それが、引き営業の極意でもある。
こちらから営業をかけないのに、空気感で相手に買いたくさせる。
敢えて冷たい態度を取る、相手が持っているセールスのイメージをぶち壊す。
意外性を駆使し、相手のペースを乱す。
そして、自分が折衝のイニシアチブを取る。
問い合わせ=親切、丁寧に…も結構だが、そんなのはマニュアル人間の素人さんだけで良い。
玄人は違う、セールス、では無く、職人という意識が大切だと私は考えている。
職人は、施主を選ぶ。
決して、必要以上に謙譲しない。
そういった、凛とした姿勢がビジネスでも良縁を得る秘訣に思う。
お客様は神様です、という時代はもう終わった。
商品を作り、頭を下げていれば何でも売れた高度経済成長期の大消費時代とは違うのだ。
今は、お客を選ぶ時代。
勿論、お客も売り手を選ぶが、
売り手も、断る勇気を持たなければならない。
面倒な事はお金を払って、プロに頼む。
それが、本来のお金の使い方なのだ。
お金を払いたくなかったら、面倒な事も全て自分でやれば良いだけ。
レストランに行かず、自分で料理を作れば済む話なのだ。
お互いにWin=Win。
どちらか一方が座布団を低くするのは、本来のビジネスではないと考える。