売る側と作る側。

サラリーマン時代も、独立してからも両方味わっているからこそ分かる事がある。

確かに、良いものを作らないと売りにくい。

けど、営業力があれば売りにくいものでも売る事が出来る。

商品に口は付いていないので、ただ作っただけではどれだけ良いものでも売れる事はない。

そこに、営業というマンパワーがあって初めて商品が世に出るのだ。

と、これは一見営業としてのキャリアが長い私としての営業びいきに思われる見解だが、

やはり商品を作る側を経験しても、尚この見解は変わらなかった。

それは私自信、良い物を作ろうという想い、商品愛が強過ぎたが故妄信的となり、過信に繋がった痛い思い出があるからに他ならない。

そもそも、良いものだから売れる、というのは営業のあるべき姿ではない。

営業である以上、商品力で売ってはいけないのだ。

つまり、取り扱う人間の営業力が強ければ強いほど、結果と商品力は比例しない事が多いのだ。

よい営業マンは商品の話を全面に出さない。

そうする前に、まずお客さんとの人間関係を作る。

更に、その時点でお客さんの取捨選択をする。

対象として相応しく無いお客さんを最初から排除した上で、その商品がドンピシャにハマるお客さんを選び抜いて契約をするのだ。

だから結果として、提案した商品がスムーズに契約となり、その後もクレームが少ないのだ。

確かに、商品力はあった方が良い。

けど、それだけでは絶対に売れない。

未だに、この日本は作る側が大きい態度を取ることがある。

きっと、モノづくり大国ニッポンとしての文化なのかもしれないが、

作った商品、資格、に慢心した大手メーカー、士業は軒並み経営難に陥っている。

生き残ったのは、変幻自在に形を変え、時代のニーズに合わせて商品を変える小規模商社だ。

そして、もはや営業マンすら不要な時代に突入している。

売る側、作る側、そしてお客さん、その間に挟まれる事が最近多く、双方に想いがあり、言っている事は自身の中の正義なのだろうと思うが、

本当の理解に辿り着くには、対極の視点を持たないと難しいという事だろう。

やはり、拘りが強過ぎる相手とは相容れないのだと最近思い、仕事ほどくだらないものもないと改めて感じた。

仕事人間だった自分が30歳を皮切りに大きく価値観の変換期を迎えた。

経済的に最低限必要な稼ぎさえ、自分で作れれば必要以上に仕事をすべきではないと本心から強く思う。

もう、本当の意味で仕事を心から愛する事はないだろうと思う。