出来る営業の特徴としては著書や過去の起業コラムでも述べている様に、聞き役に徹する事がその1つに挙げられます。

人は耳が2つで口が1つと言うように、口に出す情報は耳で聞いた情報の1/2で良いという事です。

つまり、自分の耳で聞く情報の倍は相手の話を聞かないと良質なアウトプットは出来ないでしょう。

よくある営業のイメージで、営業=話し上手、よく話す、次から次へと言葉が出て来る、などありますがこれは荒唐無稽です。

営業=話し上手、では無く、営業=聞き上手、が正しい。

人は自分の話をしっかりと聞いてくれていると感じた瞬間に初めて相手に対する信頼が生まれます

それは何を話すか?の言語ではなく、どのように聞くか?の非言語の方が相手に伝わります。

これは傾注と言って、傾聴よりもさらに大事なラポール構築(信頼関係構築)までのプロセスです。

信頼関係が生まれなければお客さんは営業の話を聞く姿勢にはなりません。

つまり、いくら沢山情報をお客さんにお伝えしても聞く姿勢という受け皿が無い場合はすべてザル、こぼれ落ちてしまいます

また、お客さんより口数が多いマシンガントーク型の営業は押しの弱いお客さんには効果がありますが、そうでは無いお客さんには逆効果です。

マシンガントーク型の営業が有効な対象としては主に、力学的に目下の存在や情報弱者のみになってくるでしょう。

こういった対象に共通するのは、時間が無い=情報を取る勉強が無い、つまり時間が無い=自分の力で稼いでいない、となり、比較的貧困層が多いです。

貧高層の対象は、押すだけで比較的簡単に申込をしていただきますが、その分キャンセルや、クレーマー化し易くなります。

これは対象の経済的豊かさと精神的豊かさが反比例するからに他なりません。

つまり目先の売上を取ったが為に、中期〜長期の非生産的な対応に追われる可能性を選択した事となり、長い目でみるとこの層の対象をお客さんとして獲得する、つまりマシンガントークで押して契約するという営業自体が適切では無いと言えるでしょう。

また、この手法で売れるモノはどこまでいっても低単価の商品となります。

低単価=対消費者は必然ですので、法的にもクーリングオフや消費者センター、業務停止などの将来的な不安要素を孕む原因になるでしょう。

これらの事から包括的に捉えると、件の営業手法がきっかけで手に入る売買契約を介したお客とのご縁は良縁とは言い難くなります。

一方で、良縁のお客はどの様に出逢えば良いかを考えていきます。

この回答はシンプルに、上記の真逆です。

営業トーク一つにしても、落ち着いた声でゆっくりと話す。

必要以上の事、相手に訊かれてもいない無駄口は叩かないことでしょう。

もちろん、スタンスは聞き役に徹してまずは相手の信頼を勝ち取る事から始めるべきであり、自分の伝えたい事など二の次で良いのです。

キジも鳴かねば撃たれまいという諺がありますが、営業も話過ぎるのはお断りされたり後々トラブルを生じる原因になりかねません。

過ぎたるは及ばざるが如し、急いては事を為損じる、沈黙は金ということですね。

また、対象も高単価の対企業、個人だとしても経営者及びその周辺者の富裕層だけにしましょう。

狙うべく対象に合わせて売上たい金額とそれを達成する為に必要な重要指数を逆算すれば取扱うべき商品、及び業種も見えてくるはずです。

貧乏暇無しは何故暇がないのか?どれだけお客さん、千客万来でも単価が1円なら忙しいだけで全く儲りません。

ただ売ればよし、決まれば良しではなく、そこのところのトークの中身や対象の中身を、営業たるもの起業家たるもの考えていきたいですね。