18歳盛りまくっていた若き日の俺、目指すは家庭教師のアルバイト。

理由は単純かつ不純!職場で可愛い女子生徒と出会うこと!

そして辿り着いた先が”家庭教師のテレフォンオペレーター”の仕事、求人欄には16歳からと書いてある。

コレはイケんじゃねーか??

 

脳みそお花畑男が辿り着いた先は果たして…??

ピンポーン。

俺はインターフォンを押した。

どうぞ!男性の声で一言。

面接会場として案内されたのは四条烏丸を上がって(京都弁で北に行くこと)左に入った場所にある雑居ビルの貸し会議室だった。

通された場所はパーテーションに囲まれ事務デスク、ホワイトボードしかない無機質な空間。

初めまして、野村です。

 

30代中頃、痩身のスーツ姿の男性がそう言って名刺を俺に渡してきた。

”学習教材KEI”名刺にはそう書いてあった。

野村が言うには、この仕事は電話を使って一般家庭に学習教材を販売する仕事、

内容には電話担当、絞り、訪問営業の3種類あり、アルバイトは殆どが電話担当だという。

営業の仕事、やったことない??

 

野村はとても話しかけ易い感じの雰囲気で、今まで経験した仰々しい面接というよりはフランクに雑談をするような感じだった。

営業という職種が存在するのはなんとなく知っていたが、具体的に何をするのか?当時の俺には全く想像がつかない。

ま、ええわ。とりあえず時給払っとくし、1、2時間ほど体験で今からアルバイトしてみーへん?

 

まさかのソクメン・ソクサイヨウに少し驚いたが、時給も出るという話だしどうせこの後も予定が無かった俺は野村の申し出に従うことにした。

”ひょっとしたら、職場に行けば可愛子ちゃんおるかもしれんし…。”

そう、まだ俺は諦めていなかったのだ。

”ここやで”野村が部屋の前で立ち止まった。

そこは外観からでも分かるほど小部屋で4畳半くらいしかない。

”え、ここが職場??”

そう思ってると、野村がドアを開けて中に俺を招いた。

そしてそこには、今まで俺が経験したどのアルバイトとも異なる異空間が広がっていた。

 

続く。

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