18歳の夏、俺は京都市中京区にあるコンビニエンスストアで求人誌を立ち読みしていた。
目的は家庭教師のアルバイト求人。
動機は不純なものだった。
生徒の女子高生と甘い恋がしたい。
某大手家庭教師派遣会社に問い合わせをすると、面接の日取りが決まった。
当然、志望動機が女子高生との甘い恋だなんて言える訳もなく、心にも無い真面目な志望動機を述べた。
俺は不思議と、過去そして今現在に至るまで人生で一度も面接試験に落ちたことが無い。
各種検定などは勿論、大学も一校しか受けていないが合格、今まで経験したアルバイト十数社は全て一発合格、就職先も全て本命一本しか受けておらずそれも全て合格している。
何故か、そういう要領だけは昔から良かった。
そして当然、この家庭教師アルバイトの面接試験も難なくクリアした俺は出社1日目を迎えた。
そこで俺は衝撃の事実を知ることとなる。
『えーっと、念の為に言っておきますが、弊社では異性間での生徒、先生の組み合わせは厳禁としておりますので、悪しからず。』
『・・・異性間での生徒、先生の組み合わせは厳禁としております??』
少し考えれば分かりそうなものなのだが、当時の俺は18歳男盛り。
盛りまくっていたので、そんな想定など一切していなかった。
結果、俺は翌日に辞表を提出することとなる。
振り出しに戻った俺は、再度求人誌の家庭教師アルバイト欄を読み込んでいた。
次こそは女子高生と出会ってやる!!
そう、全く懲りて無かったのである。
そして、とあるページの四隅に小さな求人欄を見つけた。
そこには、家庭教師のテレホンオペレーターと書いてあった。
テレホンオペレーター??何か職場に女子が多そうだぞ。
しかも、求人は16歳〜と書いてある。
これ、女子高生居るんじゃね??
当時頭がお花畑系男子だった俺は、可憐な花の甘い蜜に誘われる虫のようにその求人欄に吸い寄せられていった。
その相手が花は花でも食虫植物の花だったとは知らずに…。
続く。