ふーん、なるほど。○○外大の学生さんなんやな、結構賢いやんか、自分。

 

室長の山田が俺のエントリーシートを読みながら言った。

確かに有名な大学ではあったが、言うほど偏差値は高くないと自分では思っていたので意外な反応だったが。

あ、でも自分。もう大学辞めようと思ってますんで!

 

そう俺が言うと、山田がびっくりした。

『え、何でや?自分!勿体無いやんけ!』

当然の反応だが、俺はこう続けた。

自分、営業の世界で生きていくと決めたんで!

 

山田が少し呆気に取られてからこういった。

『自分、オモロイなあ!わかった。気合も入ってそうやし、採用や!』

何と、採用が決まってしまった。

『ちょうど自分と同い年で勢いある奴もいてるから、ソイツと競ったらええ!』

『そうはいっても、いきなり現場に出れる訳ちゃうからな!ちゃんと商品の勉強して、ウチの研修パスしてからや。』

『ウチは雨が降っても雪が降っても台風来ても関係なしで飛び込みいくからな!覚悟しとかなあかんで!』

山田はそう言い、時給の話に言及すると初回の出勤日について話した。

どうやら出勤して暫くは研修を受けるみたいだ。

俺は初回の出勤日を決め、キーリングを後にした。

”これで営業マンデビューや!”

俺の心は高鳴っていた。

続く。